Linda Hollierさんがメタバースで体験した日本

コミュニティハウス庵(いおり)のガーデンギャラリーに作品を展示中の南アフリカ出身、カナダ在住のアーティスト Linda Hollierさんが、ご自身のウェブページの “Where is Linda?”のコラムに、大変嬉しい洞察を書いてくださりました。

和訳しましたので、是非お読みください。

January 2024 | lighting our way (原文)

日本には、「おもてなし」という深い文化が根付いており、これは決して期待されたり期待することから始まるのではなく、心からゲストを大切にする日本独特のホスピタリティを指します。この驚くべきおもてなしの感覚は、どんな玄関からも始まると言われています。おもてなしを理解するには、実際に日本を訪れることが必要で、それを英語で定義することは難しいとされています。

私は幸運にも、今月、アバターを通しておもてなしの精神を体験する機会を得ました。

メタバースの冒険の中で、ある時私は、日本のワールドに偶然たどり着きました。そこで、素晴らしい女性マロドリさんと出会い、彼女が娘さんのアートをメタバースでプロモーションしていることを知りました。

マロドリさんと何度も興味深い会話を重ねた後、私は「コミュニティハウス庵(いおり)」という特別な日本のワールドへ招かれました。「庵」は隠れ家や茶室を意味します。このコミュニティハウスでは、多様な側面から日本文化を体験できます。そして、様々なアーティストの作品を展示するガーデンギャラリーもあります。

英語が堪能なマロドリさんはすぐに、このワールドをプロデュースしている京都出身のデザイナー、小島さんを私に紹介してくれました。 小島さんは英語が話せませんが、マロドリさんが丁寧に通訳したり、Spatialのチャット機能を使って日本語から英語、英語から日本語をリアルタイムで翻訳したりコミュニケーションを楽しんでいます。 そして、1月にガーデンギャラリーで私の作品を展示していただくという嬉しいオファーを頂きました。 そして1月から、私の物理的な身体はアフリカにいならがらも、デジタルの身体は多くの時間を日本で過ごすことになったのです。

私はコミュニティハウスのさまざまな部屋を体験し、庭を歩き回り、空から見下ろしている龍の上に一緒に座って、武士道について学びました。 私たちは興味深いメタバースワールドを一緒にツアーし、色々な人達と交流をすることでコミュニティ間の架け橋を築くことができました。

ある日、庵に入ると、小島さんが私のために特別なロゴをデザインしてくれたことを知りました。 私の名前を漢字で書いたオリジナルデザインです。古代中国から日本の書記体系に取り入れられた漢字を私の名前の発音に当てたもので、篆書体という古代の書体で表記してくれました。

私は、マロドリさんと小島さんがリズベットさんを歓迎する様子を見てきました。リズベットさんは、私のアバター衣装のジャケットに、私の「着物の女性」のアート作品を取り込んでカスタマイズしてくれたのですが、彼らは彼女にブランドを立ち上げることを奨励し、ロゴのデザインにも協力してくれました。

ご自身の「着物の女性」のアート作品を取り込んだアバタージャケット。実際の作品の前で。

私の作品の向かいには淡路人形座の展示があります。500年もの伝統を次世代に継承し、国内外の新たな人々に知ってもらうために、座員さん達がそれぞれの視点でメタバース内でトークショーを行いました。 彼らに私の展覧会に来てもらえて光栄でした。

淡路人形座の展示ブースの前で。

ガーデンギャラリーで私の作品が月ごとに変わる常設展示をオファーされたことに感激しています。 これまでに培われたコラボレーションが今後も素敵なホスピタリティを生み出していきますように。

今月の「日本」での交流を通じて、時間のスピードが相対的になっていることをますます実感しました。 私たちがこれまでに慣れ親しんできた多くのこと、例えば、特定の時間に起きたり、食事をしたりすることは、非常に直線的な時間の流れとして捉えられてきましたが、少なくとも私にとっては、それはもはや機能していないようです。Web 3の世界で他の人と対話すると、ある人は起きていて、他の人は寝ようとしているという事実に気づくことができます。 Web 3 は、空間と時間の制限と境界を取り払いました。

私の作品は、見る人にゆったりとした時間を楽しんでクォリティの高いひとときを過ごすことを促します。Web 3の環境では時間を上手く管理し、無意味なやり取りを避けることが必要だと認識しています。

そのような考えや実践が私を「日本」に導いてくれたことに感謝しています。